じゃむ じゃむ 通信 

2002 11・ 1  bP5

秋も深まり、近くの公園を早朝に散歩するには手袋が必要になりました。まもなく霜柱の季節がくるのだな、、、と思わせる位の寒さです。

10月上旬、当店のコーヒー豆を焙煎していただいている「珈琲工房・那須店」の 「カフェ・いいじゃん」に参加しました。地域で地道にがんばっている人を1日店長として、その方の奮戦ぶりをみんなで分かち合おうという、異業種交流のような催しです。

その時の店長さんは、本業・植木屋さん、隠れ業・アマチュアカメラマンのIさん。カメラを通してつながっていく人との出会いの不思議さに、偶然は何もないと思わずにはいられませんでした。そのIさんと何年も前からひとつの「たくらみ(?)」を企てているのですが、なかなか実現できず、今に至っています。Iさんはカメラのファインダーを通して、わたしは1つの素朴な疑問と好奇心を通して・・。それは大道芸人・ギリヤーク尼崎さんの青空舞踏を那須野ヶ原でやってもらおうという試みです。「来年早々にでも・・」と話しは再び固まらないままお別れしたまさに次の日、新聞の片隅の5・6行足らずの小さい記事に目がとまりました。「新宿三井ビルひろば55でギリヤーク尼崎さん無料で青空公演・・」。偶然はない! こりゃ、行くしかない!

居並ぶ高層ビルの谷間に「ひろば55」はありました。顔を白く塗り、赤い着物を羽織り、「気付け薬(お酒?)」をちょいと飲んでテンションをあげます。長年の激しい踊りで痛めたひざにぶあついサポーターをつけ、一呼吸してテープレコーダーのスイッチを入れます。激しい津軽三味線の音とともに、ギリヤークさんの体がうなり始めます。「津軽じょんがら」でスタートです。72歳とは思えないエネルギュシュな動きと、時折一瞬見える祈るような美しいフォルムにハットさせられます。「念力」「よされ節」「白鳥」と踊る中、時折雨が降ったようにおひねりが飛び、「うつくしい!」「さむくないか!」と合いの手が入ります。1つの肉体が徐々に徐々に枯れ果てていくさまを無音の中で表現した「老人」は凝縮した彼の人生のようであり、一瞬にして移ろいいく私たちの人生にも重なり、得がたいものを観たような充足感がありました。「上手」とか「下手」とかの言葉の範中では言い表わせないのです。そして最後はやはり津軽三味線の音に乗り、「動」と「静」が織りなしたギリヤークさんの青空公演は終わりました。日本でもやっと大道芸が市民権を得てきましたが、数十年前から一般道路や、駅のスペースなどで踊っていたギリヤークさんの逮捕歴は50数回とも60数回とも言われます。捕まっても捕まっても踊る、世俗的な生活をなげうっても踊る、たとえ明日食べ物がなくてもギリヤークさんはきっと踊る。「なぜ」なんて聞くのは愚問だと思うけど・・。「それしかやることがなくてねエー」なんて飄々ととぼけて言うかもしれません。

今、世の中は情報の渦です。何がよいもので、何がそうでないのか、判断するのは至難の業ですし、あえて判断する必要もないのかもしれません。日々の淡々とした生活を送っていると、どうしても目と耳が慣れ親しんだものばかりに開かれてしまい、新しいものに向き合うのが億劫になってしまいます。その昔、バッハ、ゴッホ、ゴーギャンなどたくさんの芸術家が、その時代の人々に認知されませんでした。同じことがきっと今の時代にも起こっているのでしょう。マス・メディアに感性が牛耳られている昨今、商業主義に乗せられた、刺激性の強い文化の中から、真に創造性にあふれ、私たちの生活を内側から再生へと導くような芸術を見つけ出すのは本当に難しいことですが、意外と身の回りに埋もれているような気もします。

来年にでも、那須高原でギリヤークさんの青空公演が実現出来ると面白いな〜と思っています。10月はじめに当スペースでコンサートをしたフォークシンガーの高橋忠史さんは、来年365日連続ライブをするそうです。投げ銭ライブ・ホームコンサートもOKとのこと。興味のある方はご連絡ください。当スペースでは、一般のほか、事情により、たった一人のためのコンサートを快諾してくださいました。つい先ごろコンサートを終えた津軽三味線奏者の山本竹勇さんは、息子さんの勇気君(高校1年生)と大小さまざまのホールでのコンサートをやりながら、学校公演に招かれ、和楽器の魅力を紹介する活動をじみちになされています。来年も迫力あるライブが期待できそうです。今年も同封しましたチラシのとうり、あと2回のコンサートで幕を閉じます。来年の企画を練るのは難しくもあり、楽しくもありといったところです。 

 

これからの アートスペース 予定

 

11月9日(土)  馬 高彦 胡弓コンサート

開場 18:30   開演19:00 

          入場料  大人3,000円  小.中学生2,000円

 *定員までにはまだ余裕があります。ご希望の方はお申し込み下さい。

 

12月14日(土) Premadasa  Hegoda(プーレマダーサ・ヘーゴダ)

          シタール コンサート

開場 18:30   開演19:00

入場料  大人3,500円  小.中学生2,500円

 *11月1日より受付を開始いたしました。

 

 珈琲ハウス 近況

 店内の椅子とテーブルの一部を替えました。席数が少し増えました。来年1月より コーヒーのメニューが1つ増えます。名前は『パリの空の下』です。一度飲んでいた だければ、そのネーミングについては納得して頂けると思います。乞うご期待!!!


ART SPACE & COFFEE HOUSE じゃむ じゃむ
〒323-0026 栃木県小山市本郷町1−7−2(和田屋新館そば)
TEL 0285-24-3870 FAX 0285-22-0763

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