じゃむ じゃむ 通信 

2001 10・10  bP2

近くの町のブドウ園から大きな房の巨峰が届きました。

日光を十分に浴びた一粒一粒は甘く、太陽の香がします。知り合いから無農薬の栗を頂きました。固い皮の中から丁度いい甘さの実が出てきました。

日頃、自然には関心が向きにくい私でも、実りの秋にはその素晴らしさに驚かされます。

 さて、8月に珈琲ハウスは一ヶ月のお休みをしました。開店以来3年近く珈琲ハウスとスペースの両方の営業は、実質、年中無休の状態だったので、心身共にリフレッシュしなければ、、という危機感(?)からお休みしました。少し勝手な言い訳ですが、、、。その一ヶ月の間に私と妻の二人で色々な所に出かけ、そして、出会った『ひと』のお話しをしたいと思います。

 

マドリッドの国際列車の発着駅で、私と彼女は、夕方発車する夜行寝台列車に乗るべく、広い待合室のベンチに座っていました。彼女は持参した旅行ガイドブックを読んでおり、私は日本へ出す絵葉書を書いていました。、こんなに混み合う中で、よくもまあ、私達を見つけたものだと思いましたが、一人の青年が同じベンチに腰掛けると、こちらの都合はお構いなしに話しかけてきました。

「日本人?」  

「はい、日本ですよ。」と、彼女。

「やっぱりそうか、分かるんだなー」

その時の服装は、私は半袖シャツに綿ズボン、彼女は私が見ても国籍不明で、インド風というか東南アジア風と言うか、何とも説明できないものでした。

「スペイン人の友人と待ち合わせをしたんだけど、うまく連絡が付かなくて」

私 「??」

「別の友人に電話をかけたんだけど、留守で、、、」

私 「??」

「私は国費でイギリスに一年間留学していたことがあるんですよ。その時友人が沢山出来て、そして、一週間の休暇が取れたんで友人達に会おうと一人で来たんだけど、、、」

私 「??」

「英語は不自由しないし、全部で5カ国語話せるから、、、」

私 「??」

その時、或る言葉に気づいたので彼に聞いてみました。

「あなたは官僚ですか?」

「そうです」

彼の格好は、短髪にポロシャツ、綿ズボン、素足にコインローファーの革靴、手には小ぶりのリックサックでした。

「私は絶対に、日本人にはみられませんよ。」

私 「??」

海外にでると、出会った東洋人の国籍を感じ取ることは困難ですが、彼はどこから見ても日本人でした。実は、少し前に、タバコを吸うために駅舎の外に出た時に、サングラスをかけた彼を見かけたのでした。

『あんな風に、少しリッチな感じで一人旅をする日本の若者が増えたな、、、』と思った、その当人でした。

「あなた方は一目で日本人と分かりましたよ、何故なら今見ている旅行ガイドブックはこちらでは日本人のガイドブックとして有名ですから。私は絶対にそれは見ません。」

私と彼女 「??」

「私の荷物はこれだけですよ」とリックサックを示しました。

私の荷物は、空のビニールタンクを何個も詰め込んだ大型のスーツケースでした。

『中身は軽くても見た目は大きいからな、、、』

「これだけで十分ですから」

私 「??」

彼女はガイドブックを読むのをやめて青年の話し相手になりました。

今夜の宿は未だ決めていなくて、前もって宿を決めて海外に出たことはない、。婚約者がチェコ人でチェコにいる。中央官庁のキャリア官僚としての日常の仕事内容等を話し、自分の所属する或る省の名刺を彼女に渡すと去っていきました。

私と彼女は顔を見合わせて「???」です。

混雑する駅で話した時間は短いものでしたが、私に残した印象は強烈でした。

 

リスボンの或る大衆食堂での事です。注文を取りに来た若い男性が話しかけてきました。

「あなたは日本人か?」

「そうですよ」

「私はブラジル人です。デカセギ、、、」

「デカセギ」、、、この言葉を、彼は日本語で言いました。

この言葉を聞いて、驚いた私が迂闊でした。ブラジルはポルトガル語圏であり、彼らが母国語の国ポルトガルに「デカセギ」に来ていても、何の不思議もない話です。彼の表情は楽しそうで、冗談を言いながら客とやりとりをしていました。

帰りがけに、払う必要のないチップを彼にねだられたとき、思わずチップを置きました。

 

私達はドイツの田舎、ウインターブルグの駅で、来る筈のないタクシーを待っていました。

すると、一台の車が目の前に止まり、背の高い、40歳前後と思える男性がリックサックと手荷物を受け取り、にこにこしながら私達の所にやって来て、話しかけてきました。

「ヒッチハイクで車に乗せてもらったんだけど、すごいスピードで走るんで驚いたよ。ところで君たちはなにしているんだい?」

「タクシー乗り場の標識があるので、ここでタクシーを待っているんだけれど。」

「そうかい、私は乗馬と山の森歩きにオランダから休暇で来たんだ。オランダには山がな いから、山の森歩きには外国に出かけるしかないんだよ」

「え、、、」と私は絶句。

聞けば相当数のオランダ人が、山の森歩きのためにドイツを訪れるとのことです。

「ところで、君たちはどのくらいタクシーを待っているのかな?」

「1時間位」

「それは長すぎる。駅員に聞いてみよう。電話をかける必要があるなら、私がテレホンカードを持っているから貸してあげるから。」

彼はドイツ語しか通じない駅員に通訳をしてくれました。その結果分かったことは『ここではタクシーは電話で呼び寄せるのが普通で、タクシー乗り場で乗れるのはラッキーと言える』と言うことでした。彼のおかげで駅員さんが親切にもタクシー会社に電話をかけてくれることになりました。あまりにもタイミング良く現れた彼に、心から感謝をしました

が、彼は何事もなかったかのように、やって来た電車に乗るため手を振りながら去っていきました。

 

これからの アートスペース 予定

 

10月27日(土)   19時 開 演  山本 竹勇 津軽三味線 コンサート

  

11月10日(土)   19時 開 演  馬 高彦  胡弓コンサート

  

12月20日(木)   詳細は未定 クリスマスコンサート (ワンドリンク付)

  カンツォーネ等のヴォーカリストを予定

 

2002年 前半予定   インドの調べ  シタール コンサート

 

             ☆雅楽の夕べ 古峯神社楽士の皆さんによる日本の正当音楽


ART SPACE & COFFEE HOUSE じゃむ じゃむ
〒323-0026 栃木県小山市本郷町1−7−2(和田屋新館そば)
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