じゃむ じゃむ 通信 

2001 7・27  bP1

毎日暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか ?

じゃむじゃむ の入り口にある、つる薔薇やインディアンブルー、ベゴニア達も早朝の元気さはどこへやら、昼間はひっそりとして暑さに耐えています。

 さて、 アートスペースがオープンして2年半、珈琲ハウスがオープンしてはや2年が経とうとしています。その間に沢山のお客様が訪れて下さいました。 

珈琲ハウスのオープン前から度々お客様になってくれた小さな女の子とお母さん、自家製ケーキがたまたまできあがった日に訪れてくれた、絵の展示会のために来日したイギリスの女性画家(オープン前でしたが、しっかりお茶とケーキ代を頂きました)。そして、オープンしてから来店して下さった方々で直ぐに何人かの方の顔が浮かんで来ますが、その中でも深く印象に残るお客様のお話をしてみたいと思います。

                 珈琲ハウスがオープンして間もない頃、体格がよくて顔が日に焼けた、一見、何かのスポーツマンに見える男性がカウンターに座りました。注文は珈琲です。確かバンダナをしていました。珈琲の好みを聞いて豆をミルにかけ、粉を蒸していると、、、突然、フルートの演奏を始めました。曲名は分かりませんでしたが明るい感じのクラシック曲です。

 「聞けば開店したばかりだというので、お祝いに一曲演奏させていただきました。」

店内にいた他のお客様も何事かと思いつつフルートに聞き入っていましたが、その言葉に合点がいきにこにこ笑っていました。

『クラシック音楽でこの道を歩き始めたが、才能の違いを感じ離れようと思った。しかし、好きな音楽とはどうしても係わりが絶てず、一時は尾崎紀世彦のバックバンドで演奏していたこともあるが、仕事が不定期で、生活のこともあるので今はいつでも仕事を中断してバンドの仕事が出来る、物干し竿を車に積んで売る仕事をしている、、、、。』が、彼の話でした。

暑い陽ざしの季節が巡って来て、白い洗濯物が目に付くようになると、彼の陽に焼けた顔を思い出します。

 年輩の皆さんは昔評判になった映画「小さな恋のメロディー」を覚えていますか?

春の日のある夕方、小学校高学年と思える男女二人づつ、計四人が入ってきました。

 「あのー、子供でもここに入ってもいいですか?」

 「いいですよ」と、私。

メニューを見て注文が決まるまでずいぶん時間がかかりました。中で一番体格のいい少年がみんなの注文をまとめて私に言いました。

 「ジュースをお願いします」

よけいなお世話とは思いつつ、サービスにケーキを付けて出し、よくないとは分かりながら会話を聞いてしまいました。どうも同じクラス同士の4人ではないらしい。何度も迷って、ためらってこの店に入ってきたらしい。『クラスの誰々ちゃんはあの子が好きだ』とか言う会話が何とも好ましく、「他にサービスで何か出せないかな」と考えてしまいました。一時間ほどの楽しそうな会話の後、彼らはかわいい小銭入れから自分の勘定を払い夕闇の中を帰っていきました。それだけのことですが、忘れられない、映画の一シーンの様な思い出です。

 最後に、一番忘れられないお客様のお話を。

「琴と尺八と語りのコンサート」は予約では満杯にはなりませんでしたが、当日申込の方が多くて満員になっていました。開演まで後15分ほどという時に、髪はほとんど白髪に近い女性が受付にやってきました。

 「今日のコンサートを聴きに来ました。受付はここでいいのでしょうか?」

私は他の係りをしていましたが、たまたま受付の所にいました。

 「今日のコンサートは予約の方で満員になりました。あなたを受付してしまうと予約した方が入れなくなってしまいます。」と私は応えていました。

こんな場合は、開演時間まで待ってもらって、予約をしながら来られない人が出た場合に入っていただこうと考えていたのに、頭の中が真っ白になってしまい、お断りをしていたのです。

その方の残念そうな顔が今も浮かびます。予約で満席になり、開演までの間に起きる細々としたトラブルや雑事の中で、冷静に対処することの難しさを思い知りました。そして、約一年後のコンサートで同じ様な事が起こりました。

 「今日のコンサートは申込をしていないんだけど、何とか聴けるかな?」50歳くらいの男性です。

予約ですでに満員となり、当日キャンセル分を予想して、すでに何人かを余分に受付していた後で、最悪の場合は入場している友人に席を譲ってもらう、という最後のカードを切った後でした。

 「せっかく来ていただいたのですが、すでに予約で満員です。ですが、開演間近まで待っていただければ席が空くかもしれません。」と、私。今回は言えました。

 「この年になってヴァイオリンを始めたので、是非間近で演奏を聴いてみたいんだよ。予約無しでは入れないかもしれないという事は、承知の上なんだ」

 「20分後に又こられますか?それともここで待てますか?」

 「あと20分したら、また来るよ」

結果は、最後の一人分の席が空き、コンサートを聴いていただきました。帰りがけに、その男性の見せた笑顔の歯の白さが印象的でした。

 

ちょっと変わったコンサートホールのご紹介

 

ちょうど2年半前,私どものアートスペースがオープンする前後、通い慣れた鹿沼の街の製材所さんの前にコンサート催しの看板を見かけるようになりました。材木屋さんでコンサート?・・不思議な思いはコンサートの看板を見るたびに膨らみ、ついに事務所に伺いました。お忙しい中、西村雄吉社長(ビジネスネームは『杉 太郎』さんとおっしゃり、この会社にはそのほか『梅 次郎』さんや『桧』さんなどがおられ、人馬ならず人木一体となっている様子がうかがえました)にお目にかかることが出来、まさに「じゃむじゃむ通信」始まって以来の突撃インタビューとなりました。 

コンサートをする場所は「ピノキオホール」といい、木をふんだんに組み込んだ瀟洒な建物で、人の目を引きつけずにはおきません。小さい集まりや、まだ生徒さんが少ない音楽教室の発表会、個人で練習なさる方達などに無料で提供なさっていたそうですが、コンサートの話が持ち上がり、今では月に1度のコンサートを行っています。そのきっかけは、ある集まりの席で、伝統ある鹿沼の木材の魅力と、木から作られている多くの楽器から奏でられる音楽を一体にして「木と音楽の街・鹿沼」を

作ろうと言う声があがり、それをうけて西村社長は「柿っこクラブ」(こけらっこ)をつくり、音楽コンサートを開くことになりました。最初のコンサートではお客さんに喜んでもらえるのか前の晩は眠れないほどだったと言います。私達もまさに同じ思いを体験しており、その緊張具合が伝わってくるようでした。

西村さんは、県内に4人いらっしゃる「とちぎ木材アドバイザー」のおひとりで、どんな少人数の集まりにでも出向き、木のお話の講師として活躍なされています。又、木のこと、環境のこと、木と人との関わりのこと、健康のこと、そしてコンサートのことなどを満載した機関誌を発行なされ、まさに人の幸せは、豊かな自然と切り離すことは出来ず、煩雑な日常を木のぬくもりと美しい音楽で癒すひとときを提供したいと言う思いが伝わってきます。「土曜・日曜日には、どこかの事業所で演奏会の開かれる街・鹿沼」をの夢を語る熱い思いと、「皆さんの笑顔に支えられ、感謝せずにおれない」という真摯な姿勢に、背筋がぴんとなりました。

西村さんは「コンサートはどんな狭い場所でもできます。たった一人のために、その人のために演奏家が心を込めて弾くような、そんな音楽会があってもいいでしょう。」と言います。本当にそうです。大ホールの舞台の上の音楽だけでなく、時には同じ目線で語りかける音楽があってもいいはずです。生の音楽が私達のもっと身近な所におりてきてもいいのでははないでしょうか。生演奏のチケットは高額になり、大都市集中型になってきてしまいました。西村さんのように、アイディアと勇気があればだれでも、どこでもできるのです。名演奏家は意外と身近にいるものです。この小山でも、土曜・日曜日になったらどこかで小さい素敵な、そして楽しいコンサートが開かれ、子供達もサンダルを履いて気楽に聴きに行ける街になるといいなと、熱い思いがわきあがってきました。

 

西村製材所のコンサートにご興味のある方は下記にご連絡下さい。

(参加費 1000円 コンサート後ハーブティー・珈琲のティータイムがあります)

フリーダイアル 0120−100−246 (担当・島田さん)


ART SPACE & COFFEE HOUSE じゃむ じゃむ
〒323-0026 栃木県小山市本郷町1−7−2(和田屋新館そば)
TEL 0285-24-3870 FAX 0285-22-0763

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